城間氏先行、与世田氏追う 4割が態度未定 那覇市長選


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 16日投開票の那覇市長選を前に、琉球新報社と沖縄テレビ放送(OTV)は8、9の両日、電話による世論調査を実施した。調査結果に本紙の取材などを加味した選挙戦序盤の情勢は、前副市長で無所属新人の城間幹子氏(63)が先行し、前副知事で無所属新人の与世田兼稔氏(64)=自民、公明推薦=が追い上げる展開となっている。

ただ調査時点で4割が投票する人を「決めていない」と回答しており、浮動票の動向が選挙戦の結果を大きく左右しそうだ。
 城間氏は与世田氏より2週間半、早く出馬を表明。運動を先行させた勢いを維持している。与世田氏は企業の朝礼回りなどで支持を拡大させ、各決起大会を境に運動が活発化している。
 城間氏は共産、社民、社大の支持層をほぼ固め、与世田氏を推薦した自民の支持層からも一定程度支持を得ている。与世田氏は自民、公明双方の支持者から過半の支持を得ている。維新や民主など保守・中道層からも一定の支持がある。
 同日の知事選との関連も大きく、城間氏に投票すると決めている人のうち9割以上は城間氏とセット戦術を展開する翁長雄志氏に投票すると回答。一方、与世田氏に投票すると決めている人のうち約7割は、選挙戦で連携している仲井真弘多氏への投票を決めている。
 同時に調査した知事選に関する結果と比べると投票態度を決めていない人は知事選の2割強に対し、市長選では4割と多い。無党派層も全県の53・2%に対し、那覇市内では62・8%と高く、投票先を決めていない無党派層などをいかに取り込むかが終盤に向けたポイントになりそうだ。
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 【調査方法】知事選の情勢分析のため、県内有権者を対象に8、9の両日、無作為に発生させた番号に電話をかけ、調査員が回答を聞く、RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法による調査を実施した。サンプルの年代や性別が有権者の縮図となる精度の高い調査ができる。実際に電話がかかったのは1280件で、747人から回答を得た。
 このうち那覇市で回答を得た186人には市長選に関する調査も行った。さらに那覇市内を対象に市長選に特化した調査を追加し、163人から回答を得た。那覇市長選に関し、計349人の回答を分析した。

(左から)城間幹子氏、与世田兼稔氏