「ＤＶＤ＝２」『堂珍嘉邦 TOUR 2014 “Bronze Caravan"』

「ＤＶＤ＝２」『堂珍嘉邦 TOUR 2014 “Bronze Caravan” at Zepp DiverCity TOKYO』

ＣＨＥＭＩＳＴＲＹ時代と変わらない安定した歌いっぷり

　活動を休止している男性ツインボーカルユニットＣＨＥＭＩＳＴＲＹのメンバーである堂珍嘉邦が、ソロ活動として行った２度目の全国ツアーから今年５月にＺｅｐｐ　ＤｉｖｅｒＣｉｔｙ　ＴＯＫＹＯで行った最終公演を収録した映像作品。ソロ・デビュー後に発表したすべてのシングル曲に加え、ＣＨＥＭＩＳＴＲＹ時代のソロ曲も歌っている。

　テレビ番組『ＡＳＡＹＡＮ』の「男子ボーカリストオーディション」でＣＨＥＭＩＳＴＲＹの相方、川畑要とともに最終選考に残り、デュオとしてデビューしたことはよく知られている。ＣＨＥＭＩＳＴＲＹでは、同じ声の質を持つ川畑との微妙なバランスを保つハーモニーと歌声が印象的で、果たしてソロではどのような歌を聞かせるのだろうと再生してみると…。激しい曲やバラードなど緩急はあるものの、堂珍自身がステージを駆け回ったりすることもなく、その安定した歌いっぷりは、ＣＨＥＭＩＳＴＲＹのときと印象が変わらない。ソロ歌手としてもうまいが、ＣＨＥＭＩＳＴＲＹを前提にすると、少し物足りなく感じてしまうかもしれない。
　特典映像の多くは演出が過剰になりがちだが、こういう意外性のない映像作品にこそ、本人の素顔がかいま見えるような、リハーサル風景や舞台裏の映像などを少しでも挟んでもらえると、より楽しめるのではないだろうか。
　（日本コロムビア・５３７０円＋税）＝小西樹里
（共同通信）
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小西樹里のプロフィル
　こにし・じゅり　１９７７年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、２００６年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論／動静ウオッチャーでもある。