船転覆でアーサ養殖に油被害 泡瀬沿岸に漂着


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流出した燃料油で被害を受けたアーサ養殖で使う網。ほとんどが使用不能という=16日、沖縄市泡瀬(沖縄市漁協提供)

 【沖縄】15日に中城新港内でパナマ船籍の貨物船と日本国籍の土砂採取船が衝突し、採取船が転覆した事故で、採取船から流出した燃料油が沖縄市泡瀬の沿岸部に漂着し、一帯のアーサ養殖場に被害を与えていることが17日までに分かった。

沖縄市漁業協同組合によると、被害範囲は沿岸部300メートルに及ぶという。同組合は中城海上保安部の協力を得て、漂着油の回収作業や被害の状況把握を急いでいる。
 同組合によると一帯でアーサ養殖に取り組む漁業従事者は4人。来年2月から3月にかけて収穫を予定していたアーサの98%に被害が出ており、来年の収穫は不可能という。また転覆船が位置する新港埠(ふ)頭の南東約1キロ付近では海保が船体を囲むようにオイルフェンスを設置し、半径150メートル以内での一般船舶の航行を禁止している。一帯は刺し網漁の漁場でもあり、漁業従事者は操業ができなくなっている。
 沖縄市漁業協同組合の池田博組合長は「油の回収作業を進め、護岸の回復を図りたい。被害が出た組合員のためにも補償を求めることも検討したい」と話した。