「隠れた名盤」伊勢大貴『ＢＥ　Ａ　ＨＥＲＯ』

戦隊ヒーロー曲と昭和歌謡ファンが悶絶しそうな新曲など
　１９９１年北海道生まれで舞台俳優として活躍する男性歌手の初ソロアルバム。子どもたちに大人気の『烈車戦隊トッキュウジャー』にて、若々しい声なのに水木一郎兄貴さながらの熱さも持つ実力派で、是非ともアルバムが聞きたかった。

　全８曲中４曲が既に発売された戦隊ヒーロー曲。どの曲も歌詞カード無しで内容が分かるほど滑舌や発声が良くてある意味新鮮。特に、高音でシティポップス風に、低音で熱血応援歌風に歌い分ける『カミツキ・ブレイブ』が印象的だ。
　残り４曲が新曲だが、うち２曲が昭和歌謡ファンが悶絶しそうなほどの佳曲。わざと小生意気に歌った『がむしゃらＢａｂｙ　Ｌｏｖｅ』は、明らかにマッチ（というかかつての片岡鶴太郎？）の『ハイティーン・ブギ』風だし、哀しい音色のバラード『恋と友情』は、ささきいさおと尾藤イサオの“Ｗイサオ”へのリスペクトでムンムンだ。個性が問われる時代だが、本アルバムを聞けば、暑苦しさが意外に最強の武器になると学ぶはず。
　（日本コロムビア・ＤＶＤ付き３０００円＋税）＝つのはず誠
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つのはず誠のプロフィル
　つのはず・まこと　１９６８年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、Ｔ２Ｕ音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションＣＤの企画・選曲などを手がける。
(共同通信)