北と南、音色融合 グスク演奏会 国史跡舞台に4夜連続


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津軽三味線と三線、太鼓のセッションを披露する(左から)大城貴幸さん、與儀朋恵さん、浅野祥さん=18日、南城市大里の島添大里城跡

 【南城】南城市内の四つの国指定史跡で津軽三味線、三線、太鼓の若手実演家らが4夜連続で演奏する「南城市グスク巡りコンサート」が18日、市大里の島添大里城跡で始まった。ライトアップされた拝所「ウタムトゥノーイ」の前に舞台が設置され、観客は幻想的な雰囲気の中、北と南の楽器の融合に酔いしれた。

 出演したのは市大里大城出身の大城貴幸さん(三線)、宮城県出身の浅野祥さん(津軽三味線)、與儀朋恵さん(太鼓)。
 大城さんは世栄節、仲風節など古典を高らかに歌い上げ、夜空にその歌声を響かせた。対する浅野さんは津軽じょんがら節、斎太郎節など東北の伝統的な民謡を披露したほか、映画「第三の男」のテーマ曲を津軽三味線で再現。力強く素早いバチさばきに、会場からは拍手が沸き起こった。
 最後は尚巴志の逸話や市内の情景を歌った「南城尚巴志口説」や大城さん作曲の「若獅子」などを3人でセッションし、会場を盛り上げた。最前列で演奏を聞いた山城百合子さん(66)は「迫力があって素晴らしかった」と感動していた。
 市出身のお笑いコンビ・こきざみインディアンのコントや、市民劇団「賞味期限」の演劇も披露された。
 コンサートは市が展開する「尚巴志活用マスタープラン実施事業」の一環で行われた。
 19日には糸数城跡でも行われ、20日に佐敷城跡、21日に知念城跡でも開催する。午後7時開演、入場無料。