モズク水、多機能確認 ヒアルロン酸1.8倍に


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モズク水を製造した桜物産の中島千鶴子社長(中央)と九大の清水邦義准教授(右)=20日、沖縄産業支援センター

 健康食品販売の桜物産(那覇市、中島千鶴子社長)は20日、同社が早採りモズクから抽出したモズク水で、保湿性を高めるヒアルロン酸を肌細胞で作り出す機能が最大1・8倍に高まると発表した。

白髪防止効果も確認された。研究委託を受けた九州大農学研究院の清水邦義准教授は「ヒアルロン酸を外から加えるのではなく、細胞の持つヒアルロン酸含量を高めて保湿性を高くする画期的な化粧品材料だ。モズク水市場は開拓されておらず経済効果は高い」と評価した。
 中島社長は、モズク水を使って肌がしっとりする経験を科学的に実証しようと九大に検証を依頼した。結果を受けて「来年は人間の皮膚にどのくらい効果があるのか検証して、再来年に商品化したい」と話し、自社通販の顧客3千人へのテスト販売を始める考えを示した。200ミリリットル入り2千円程度とする見込み。清水准教授によると、皮膚細胞に、モズク水を添加した試料と何も加えていない試料を作用させて、ヒアルロン酸含量を比較した。その結果「細胞が作り出すヒアルロン酸含量は、モズク水を添加した試料が統計的に明らかに有意差をもって増加することを見いだした。あまり世の中に知られていない」と研究結果を説明した。同大の認知症研究でも取り上げたい意向を示した。
 モズク水の製造は、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金を活用、研究委託も同補助金を活用した。