「洋楽=1」テイラー・スウィフト『1989』


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単なるアイドルではないことを証明

 これは彼女が天才ソングライターであることを証明している作品です。幼い頃から3コードで曲作りを始めたテイラーは10代で音楽作家を目指し米ペンシルベニア州からナッシュビルに移住、大手音楽出版社の契約作家としてのキャリアをスタートします。

 その天性の歌声に加えプロ作家としての活動は彼女にさまざまな楽器もマスターする機会をあたえマルチなシンガー・ソングライターに成長します。
 カントリーのイメージが先行していましたがハードなロックも大好きな彼女、音楽的な興味はジャンルを超えたものだったのでしょう。ニューヨークに移り制作した新作は何と1980年代のポップ&ロック。ということでこの作品からギター・サウンドは消え去り代わりにシンセサイザーやドラムマシンが活躍しています。
 いかにサウンドが変わろうとも最高の曲作りができているのは彼女が本物の作家だからだといえます。この先エルトン・ジョンにも並ぶ大作家になるかもしれません。
 (ユニバーサルミュージック・通常盤2200円+税、デラックス・エディション3000円+税)=北澤孝
(共同通信)
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北澤孝のプロフィル
 きたざわ・たかし 1947年、東京生まれ。小学生のころからダイナ・ショアなど洋楽を好み、大学時代はニューオリンズ・ジャズ・クラブに所属し、トラッド・ジャズを研究。その後レコード会社、音楽出版会社に勤務。携わったアーティストは、ポール・モーリアからボン・ジョヴィ、ブリトニー・スピアーズ、MONKEY MAJIK、Superflyまで多岐にわたる。

1989
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