米兵飲酒制限緩和へ 基地外、午前0時まで認める


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 在日米軍は、在沖米4軍の軍人・軍属にだけ適用していた外出・基地外飲酒を制限する米軍の勤務時間外行動指針(リバティー制度)を12月9日から解除する。沖縄市など基地周辺の飲食店の要望を受け決めた。

午前0時から午前5時を除き基地外での飲酒を2年ぶりに認め、飲酒の本数制限も解除する。在沖米4軍は26日、制限の解除について県に報告した。

 見直しは(1)午前0時~5時を除き、基地外での飲酒を認める(2)飲酒の本数制限解除(3)午後10時~午前5時までのE5(軍曹階級相当)以下の兵士や沖縄に派遣される兵士の外出は、上司などの同伴を求める―など。在日米軍のケネス・ホフマン中佐は本紙の取材に「規制の撤廃ではなく、新たな基準を設けるための措置だ」とした上で「米軍人・軍属の非行・違法行為は認められない」とした。

 外出禁止令は2012年10月に本島中部で発生した2米兵による集団女性暴行致傷事件を受け、沖縄を含む在日米軍全兵士の深夜外出禁止を実施。13年2月には一定の階級以上の兵士の夜間外出を認めたが飲酒は全面禁止にしていた。13年5月からは午後6時~10時までレストランなどで缶ビール2本程度の飲酒を認めていた。

 13年には金武町と沖縄市の飲食業組合などが「米軍人・軍属を相手に営業する県内飲食店の廃業や休業が相次いでいる。苦しい状況を知ってほしい」などと緩和を訴えていた。

 在日米軍が基地外への深夜外出や飲酒の規制を始めた12年11月から13年8月までの間、県内の米軍構成員による飲酒に絡む犯罪の摘発は15件(13人)で、前年同期比18件(17人)減少。米軍構成員による飲酒絡みの人身事故は8件で、前年同期と同数だった。飲酒運転の摘発は25件で外出禁止令規制前より20件減少した。

英文へ→Off-base drinking ban for U.S. soldiers in Okinawa to be eased