是正「一歩ずつ前進」 1票の格差で県内原告


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 2013年7月の参院選について最高裁大法廷が26日、「違憲状態」という判断を示したことを受け、沖縄選挙区の選挙無効を求めた原告の林朋寛弁護士は「反対意見で1人1票の原則を指摘する裁判官が出てきた。一歩ずつでも進んでいる」と一定の評価をした。

林氏は同日、最高裁で判決を傍聴した。
 13年7月22日の参院選では有権者数が最少だった鳥取と比べ、沖縄は2・30倍の差があった。鳥取を1票とした場合、沖縄の投票価値は0・44票だった。
 最高裁判決が合理的期間論で違憲状態としたことに対し、林氏は「投票価値が0・44票しかない沖縄の有権者に、合理的期間の間は我慢しなさいと言うのは不当だ」と指摘した。
 最高裁が12年にも違憲状態と指摘したにもかかわらず不平等が是正されていないことに「議員に物事を決める能力がないことが明らかになった。本来なら、政治は裁判所が指摘したこと以上に一歩進んだ改革をするべきだ」と批判した。
 12月に投開票される総選挙についても提訴する予定。「定数削減の議論とは全く違う話で、政党の立場も全く関係ない。平等と三権分立という民主主義国なら当たり前のことを実現しなくてはならない」と話した。