「隔離が人生奪った」 施策是正へ決議 ハンセン、精神病を語る集い


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ハンセン病、精神障がいについて意見を述べる登壇者=29日、名護市の国立療養所沖縄愛楽園

 ハンセン病回復者の人権獲得の歴史から、誰もが地域で暮らせる社会を考える全国集会「病があっても人として生きたい―『精神病』と『ハンセン病』を語る集いin沖縄―」(同実行委員会主催)が29日、名護市の国立療養所沖縄愛楽園で開かれた。

障がいの当事者、ハンセン病元患者、医師、弁護士らが国の隔離政策で人権が奪われたハンセン病と精神障がいの共通点を指摘した。席上、障がい者とハンセン病元患者、国民が手を取り、誤った国の精神保健施策を正すために闘うことを決議した。
 シンポジウムで八尋光秀弁護士は「ハンセン病患者の隔離、精神障がい者の隔離は人権、人生を奪ったという意味で同じだ。問題は患者を隔離することを正当化し、偏見と差別をしてきた法律と社会であり、私たちだ」と話した。
 北見赤十字病院精神科の伊藤哲寛医師は日本の精神病床の多さ、強制入院の多さなどは国際的に批判を浴びていることを報告した。北海道十勝で病床を半分に減らした実践例を挙げ「市民や家族の協力がないから地域移行が進まないというのは言い訳だ。病床を半分に減らしても誰も困らない」と指摘した。
 ハンセン病違憲国賠訴訟で沖縄愛楽園原告副団長を務めた金城幸子さんは「療養所から出て堂々胸を張って生きることが支援してくれた人へのお礼になる」と述べた。自立生活センター・イルカの長位鈴子代表、統合失調症ピアサポーターの新田宗哲さんも登壇し、当事者の立場から発言した。