子のスマホ使用、制限を呼び掛け 浦添市県内初


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スマホ・携帯の利用ルールを呼び掛ける浦添市青少年健全育成市民会議のメンバー=浦添市仲間のあかひらステーションビル

 【浦添】スマートフォンの普及で子どもが性犯罪やいじめに巻き込まれるケースが社会問題となる中、浦添市教育委員会(池原寛安教育長)と浦添市青少年健全育成市民会議(西銘生弘会長)は、12月から午後10時以降は親が携帯電話・スマホを預かる運動を始めた。

子どもにスマホを夜間使用しないよう市町村単位で呼び掛けるのは県内では初めてといい、市教委の山田宏指導部長は「地域一律に取り組むことで、ストレスから解放される子どもや安心して預かれる保護者がいると思う」と話した。
 同市民会議が作製した「こどもたちをサイバー犯罪からまもろう!!」ポスター200枚、チラシ1万5千枚が11月下旬に完成した。作製に当たり「我が家の携帯電話ルール10カ条」を制定し、(1)フィルタリング機能を利用しよう(2)知らない相手からのメールは必ず保護者に見せる(3)人の悪口は絶対に書かない―など携帯やネット機能を安全に利用するルール10項目を示した。
 12月から市内小中学校の全校生徒にチラシを配布し、各家庭に「携帯電話の利用は夜10時まで」と協力を呼び掛ける。
 出会い系サイトへのアクセスを通じて子どもが事件に巻き込まれる被害のほか、無料通話アプリ「LINE」などで夜遅くまで友人とやりとりし、日常生活や学習に支障を来すだけでなく、いじめに発展するトラブルが新たな社会・教育問題となっている。
 他府県では愛知県刈谷市などが午後9時以降に携帯・スマホを親が預かる取り組みを行っている。山田部長は「5秒以内のメール返信を強要される事例などを聞くと、便利な半面、逆にスマホで苦しんでいる子どももいるのではないか」と指摘。「部屋に入ってしまうと使用の実態が分からないため、夜間は親が預かるルールを浸透させたい。市民会議として声を上げることで、地域の大人の意識を高める機会になる」と語った。