金武で恩返しライブ オキナワンロック“修行の地”


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 【金武】紫、勝ちゃんバンド―。往年のオキナワンロックスターたちが集う「最初で最後、一夜限りのロックコンサート」(県ロック協会主催)が11月30日、金武町新開地のアクティブパークで開かれた。

熱いロック魂で鳴らした圧巻のギターサウンドが、約300人の観客を魅了した。
 1960~70年代、バンドの全盛期に金武町内のライブハウスで修行を積んだ、宮永英一氏、ジョージ紫氏、喜屋武幸雄氏らが「金武に恩返しをしたい」と企画したライブ。
 舞台の途中で「オキナワンロック50周年記念史」35冊を町に寄贈した。
 ライブでは、宮永氏のたたくドラムスのビートやシンキ氏がマイナーコードを情感たっぷりに響かせた「泣きのギター」、勝ちゃんこと川満勝弘氏の厚みのある歌声に会場が沸いた。
 紫プロジェクトを中心にフィナーレを飾ったディープパープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」では、ステージの近くで観客が立ち上がって踊り、最高に盛り上がった。
 宮永氏は「意味のない戦争と知りながら戦地に行く若い米兵が、参戦前にロックを聴いていた場所が金武だ。当時の面影が唯一残るこの場所をみんなで大事に残していきたい」と語った。
 中高生時代、兵士をかき分け、紫などのステージを見ていたという伊芸清さん(60)は「青春時代に聴いていた曲ばかり。最高」と興奮気味に話した。

笑顔で歌声を響かせる勝ちゃん
“泣きのギター”シンキ氏=11月30日、金武町新開地
迫力あるボーカルを披露する宮永英一氏