西原ファーム、経営改善計画見直し 就農者確保足踏み


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 【西原】西原町内で耕作放棄地の集積と活用を手掛けている農業生産法人「西原ファーム」(玉那覇純教代表)の財務が悪化し、出資するJAおきなわや西原町との間で経営改善計画の見直しを進めていることが、9日までに分かった。町によると、西原ファームの2013年度の事業収支は1447万円の赤字で、負債総額は3169万円。

玉那覇代表は「ファームが全ての事業を担いできた部分がある。JAや行政との機能分担は重要な検討になる」と述べた。
 11年に設立した西原ファームは、高齢化や担い手不足を背景とした耕作放棄地の解消を図ろうと、地主と交渉して遊休農地を集め、新規農業者に使用させる農地再生事業を展開している。農地ではシマナー(カラシナ)など沖縄の伝統島野菜を栽培し、生産物の加工・販売も行っている。
 現在まで21人の就農につなげているが、集積した全ての放棄地を開墾するには至っていないことや、農地の収益が上がらず地代や初期投資費用を回収できていない課題があるという。
 玉那覇代表は「就農者の確保が足踏みしている」と述べ、人件費や借地料が財務を圧迫しているとした。新たな経営改善計画は年内をめどにまとまる見通しを示した。
 一方で、西原町は町耕作放棄地解消対策協議会(会長・崎原盛秀副町長)に3千万円を融資し、さらに同協議会が西原ファームに貸し付ける形で事業資金を提供した。融資金の返済は来年度から始まり、年300万円ずつを10年かけて返済する計画となっている。
 8日の町議会一般質問で大城純孝氏(無所属)、長浜ひろみ氏(公明)が経営状況や融資の回収見通しをただした。町側は、経営改善計画の中で返済計画も検討されるとし、崎原副町長は「状況を踏まえながらファームと協議をしていく」と答弁した。