「DVD=2」織田哲郎『TETSURO ODA LIVE TOUR 2013』


社会
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織田哲郎『TETSURO ODA LIVE TOUR 2013 「ソロデビュー三十周年大感謝! されどいまだ未熟者、先は長いっす。」』

 思いがけずポップよりロックの人

 ZARDやTUBEなどへの楽曲提供でも知られる男性シンガー・ソングライターが、2013年11月に東京・SHIBUYA―AXで行ったライブが収録されている。1992年にコマーシャルで使用されてヒットした『いつまでも変わらぬ愛を』の印象が強く、これまで提供した曲などからポップな感じの人なのかと勝手な想像をしていたが、その外見も内面も、思いがけずロックな感じの人だった。

 曲ごとにコメントが入るくらいの冗舌で、酒に溺れていた頃、旅行先のスペインで歌い手の生命線とも言える声帯にケガを負ったときのことも包み隠さず語る。その体験から一時期、決別したという酒と自分との関係を歌にした『チャイナタウン・ララバイ』をしんみりと聞かせたあとは、デビューから30年のあいだに発表したアルバムから時系列で一曲ずつ、そのときの人生のエピソードをコメントしながら歌っていく。
 「ファンだと言えるのは中島みゆきと(ザ・ローリング・ストーンズの)キース・リチャーズだけ」「まだまだ俺を通して外に出たいという曲がいっぱい聞こえているんだよ」。口から出る言葉もロックな感じだ。中島に作詞を依頼したというロック調の『Winter Song』は、特典映像でストリングスの入った別バージョンも見られる。
 (キングレコード・5400円+税)=小西樹里
(共同通信)
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小西樹里のプロフィル
 こにし・じゅり 1977年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、2006年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論/動静ウオッチャーでもある。

織田哲郎『TETSURO ODA LIVE TOUR 2013 「ソロデビュー三十周年大感謝! されどいまだ未熟者、先は長いっす。」』
小西 樹里