鹿銀、沖縄進出を検討 人口増加で有望と判断


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 鹿児島市に本店を構える鹿児島銀行(上村基宏頭取)が、県内に営業所や支店など新たな拠点の開設を検討していることが12日までに分かった。全国的に人口が減少する中、県内は人口の増加が続いており、融資案件獲得に有望な市場だと判断している。

 鹿銀経営企画部の担当者は「沖縄で市場調査はしているが、支店を出すかはまだ白紙状態だ」と説明した。9月から行員1人を県内に派遣して県内の貸出金利や融資状況などを調べている。今後いつまで調査を続けるかは未定という。
 2014年3月期決算によると、3月末時点の鹿銀の総資産は3兆8899億円、貸出金は2兆4391億円、預金は3兆2936億円。県内最大の琉球銀行と比べると、それぞれ約1・9倍、約1・8倍、約1・7倍に上る。
 戦前、県内に構えていた鹿銀の支店は、戦中に燃えるなどして自然閉鎖となった。戦後は顧客の財産管理を目的に営業店を置いていたが、1986年に撤退した。戦後、県外の地方銀行の県内支店はない。
 11月には肥後銀行(熊本県)との経営統合を発表した。人口減少による預金や融資の減少を懸念していることが背景にある。今後持ち株会社を設立し、九州全域での営業を検討している。