申通が物流センター構想 積み替え拠点に


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沖縄進出の意義などについて語る申通快遞の陳徳軍会長=17日、那覇市のザ・ナハテラス

 アジア展開の拠点として沖縄に日本法人を開設した中国大手の運輸会社、申通快遞(セントンクアイディ)(本社・上海)の陳徳軍会長は17日、本紙のインタビューに対し「早ければ2016年にも那覇空港周辺で物流センターを整備したい」と述べ、沖縄での事業展開強化に意欲を示した。

センター設立に伴い約600人の新規雇用創出の見通しも示した。日本法人の年間売り上げは85億円以上を目指す。
 さらに陳会長はインタビューで「16年に東南アジアや台湾の(宅配)市場を開拓した後、沖縄を貨物のトランジット(積み替え)拠点として展開していきたい」と述べた。
 17日、日本法人「申通エクスプレスジャパン」(薛立功社長)の設立記念式典が那覇市のザ・ナハテラスであった。式典で陳会長は沖縄について「申通の国際化ネットワークの重要な位置にあり、海外市場参入の基礎になる」と強調した。「日中間の物流サービスの弊害をなくし、日本、中国というeコマース大国の物流シェア獲得を目指したい」と意欲を語った。
 申通快遞は11月14日、国際物流拠点産業集積地域(国際物流特区)那覇地区に申通エクスプレスジャパンを設立。那覇空港を拠点とする全日本空輸(ANA)の国際航空貨物事業を活用して宅配便事業を展開する。
 県商工労働部の玉城恒美産業振興統括監も式典に出席、翁長雄志知事の祝辞を代読し「引き続き那覇空港や那覇港の物流機能を強化し、申通社の海外展開を支援していきたい」と述べた。