琉球海運、商船三井と新航路 高雄経由でアジア、米へ


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 琉球海運(那覇市、山城博美社長)と海運大手の商船三井(東京、武藤光一社長)は18日、琉海の台湾・高雄航路と商船三井の外航航路を接続し、那覇から世界各国へ輸出が可能となる国際航路を新設したと発表した。

商船三井は高雄から香港やシンガポールなど東南アジアと北米向けに11の航路を持ち、欧州も含めた世界に90ある航路に接続可能となる。新航路により、これまで那覇から香港へ2週間かかっていたものが最短で6日に短縮され、輸送コストも低減できる。
 沖縄の空路のハブ(拠点)化が先行してきたが、海路でもアジアや世界と沖縄をつなげる道筋ができることで、県産品の販路拡大にも大きな弾みとなる。
 香港などアジアで県産品のニーズはあるが、直航便がないため本土経由で輸送時間(リードタイム)が長く、輸送コストも課題とされてきた。
 輸出品目は、黒糖やモズク、ビール、泡盛、シママース、畜産加工品、中古車などを想定している。
 新航路は、琉海が県産品などを搭載したコンテナを、大型車両が自走して乗り込めるRORO(ロールオン・ロールオフ)船で高雄に輸送、高雄から商船三井のコンテナ船で東南アジアや北米へ輸送する。
 12日に実証実験も兼ねて、香港向けに県産品を積んだ20フィートコンテナ1個を輸出した。19日はマレーシア向けに中古機械などが入った40フィートコンテナを輸出する。
 商船三井側は、直接寄港のない地方へのアクセス改善に向けて全国の地域海運会社と提携を進めている。沖縄への輸入はこれまでも上海などを経由してきたが、来年1月から順次、高雄経由に集約する。合わせてこれまで取り扱いの少なかった沖縄からの輸出の拡大にも努める。
 18日、県庁で会見した山城社長は「地元企業として地元密着の特色を生かし良質なサービスを提供していく。パートナーが信頼できる日本のトップクラスで、世界最大級の船体を擁している商船三井で大変心強い。沖縄のいいものを世界に届けられることを誇りに思う」と話した。

6月から沖縄―台湾・高雄航路に就航している琉球海運の貨物船「みやらびII」(同社提供)