組踊の可能性模索 芸大OB、女性だけで「花売の縁」


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「花売の縁」を演じる(前列左から)西村綾乃、浦崎えりか、宮城あこ(後ろ向き)与那嶺綾子と地謡たち=13日、恩納村ふれあい体験学習センター

 沖芸大琉球芸能専攻OB会は13日、恩納村ふれあい体験学習センターで組踊「花売の縁」を上演した。結成10周年特別企画の第3弾。立方、地謡ともに女性だけで挑戦し、組踊の可能性を模索するような内容で10周年の組踊連続公演を締めくくった。

 立方は女流組踊研究会「めばな」を中心とする配役。乙樽(与那嶺綾子)と鶴松(浦崎えりか)の母子が出稼ぎに行ったまま帰らない父・森川の子(與那嶺奈津子)を捜しに行く。猿引(西村綾乃)や薪取(山城亜矢乃)から情報を得ながら再会を果たす。
 綾子は高く柔らかな唱えを聞かせた。猿引や森川の子は男性が演じるより爽やかな印象。年老いた薪取の役は独特の雰囲気を出すのが難しそうだったが、丁寧な演技をしていた。
 歌三線は宮城幸子、新垣恵、島袋奈美。箏は仲大千咲、笛は比嘉いつみ、胡弓は森田夏子、太鼓は金城安惠。父を捜す母子の思いを歌う「長金武節」は透明感のある声が曲想に合った。再会の場の「立雲節」は力強く歌い上げた。
 指導は宮城能鳳、嘉手苅林一。組踊の前には上原信次と知花小百合がクイズ方式で組踊を解説した。
(伊佐尚記)