組踊は地域の誇り 南風原でシンポ


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地域の組踊の復活や継承について報告があった「シマdeシンポジウム 村の組踊×しまくとぅば」=22日、南風原町立中央公民館

 【南風原】地域の伝統文化を評価し、継承や保存の課題について考える「シマdeシンポジウム 村の組踊×しまくとぅば」(県、県文化協会主催、南風原町教育委員会など共催)が22日、南風原町立中央公民館で開かれた。

組踊の復活や継承に取り組む町喜屋武、津嘉山、兼城、八重瀬町志多伯の保存会関係者がそれぞれの取り組みや課題を報告した。
 実演家で八重瀬町役場文化課職員の神谷武史さんは「(プロが演じる)伝統組踊と地域の人が演じる組踊は異なり、指導する際にも使い分けが必要だ」と指摘。「地域の組踊はそれぞれ味わいがあり、演じ手の個性や創造性を伸ばしてあげたい。組踊を通して地域の誇りをしっかり築いていくことが大切だ」と述べた。
 南風原の組踊の復活上演で中心的役割を担った中村高一さん、仲本貞夫さんが地域の芸能に対する誇りやしまくとぅばの継承などにも触れ、地元で組踊を演じる意義を強調した。兼城区の嘉手苅盛雄区長は、組踊「国吉比屋」の30年ぶりとなる2017年の復活上演に向けて決意を述べた。
 町組踊保存会相談役の真境名正憲さんは「復活上演の取り組みで郷土を愛する心が培われ、地域おこしにつながっている」と述べた。「プロが演じる組踊と比べて地域の組踊が劣ることは決してない。各地区が連携を深めることが課題だ」と期待を込めた。
 南風原町民俗芸能保存会の大城和喜会長が南風原8地区で上演された組踊9演目について基調報告し、町組踊保存会の松田竹雄顧問が今後の取り組みについて述べた。