幸せ願って除夜の鐘 渡嘉敷区、45年ぶり復活へ


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昔懐かしい酸素ボンベの空ボンベを利用した釣り鐘の設置を喜ぶ吉原立巳区長(左)と設置者の新垣勝昭さん=26日、渡嘉敷神社境内

 【渡嘉敷】渡嘉敷村渡嘉敷区(吉原立巳区長)は31日深夜から1月1日午前0時すぎの時間帯に、除夜の鐘を復活させる。約45年ぶりで、108回の鐘の音色が区内に鳴り響き、新しい年を告げる。

釣り鐘は21日に渡嘉敷神社境内に設置され、当日は村老人クラブ会員がたたくことになった。
 村では終戦後、旧渡嘉敷小中学校(現中央公民館)の構内に時間帯や連絡、緊急事項などを知らせる酸素ボンベの空ボンベがつり下げられていた。1969年ごろまで毎年、中学生が大みそかに除夜の鐘としてボンベを108回たたく習慣があった。その後、村役場に設置されたサイレンが新年午前0時を告げることになり、鐘を鳴らす習慣が途絶えた。
 村老人クラブ連合会の役員らが、昔懐かしい幼少のころの思い出を復活させようと計画、渡嘉敷郷友会(新崎直昌会長)に話を持ち掛けたところ、鐘を渡嘉敷区に寄贈することになった。株式会社オカノ=那覇市=の協力で、酸素ボンベの空ボンベを加工した鐘が渡嘉敷神社境内に設置された。
 吉原区長は「大みそかの夜、渡嘉敷神社から区民の健康、幸せを願う除夜の鐘が島中に響き渡り、良い年が迎えられる。多くの区民らが神社参拝に訪れてほしい」と鐘の復活を喜んだ。
(米田英明通信員)