琉球新報社 
多くを語る方ではない。東都大学野球リーグの中央大で主将に就任した神里和毅（糸満高出）は「言葉で伝えることはあまり上手じゃなくて」と照れ笑いをする。だからこそ選手の見本になるような行動とプレーでチームを引っ張る考えだ。「まずは自分から動くことが大事だと思う」。目標としているリーグ優勝に向けて、背中でチームを引っ張っていく。
強豪校の主将を引き受けることに迷いもあった。「本当はやりたくなかった」と振り返る。それでも就任を決意したのは、前主将の島袋洋奨（興南高出）の存在が大きかった。「キャプテンとして頑張ってきて、プロ入りを決めた姿がかっこよかった」。１０月から新チームが始動して「最初は声も出せずに緊張してしまった」。練習を続けるうちに緊張も解け、声を張れるようになった。
理想としているのは「後輩も先輩に意見が言える雰囲気がいいチーム」だ。リーグ戦が始まれば苦しむ時期も出てくる。「そんなとき、ばらばらにならずに一つになれるチームになりたい」と理想を描く。試合では「機動力を使った野球をやりたい」と言う。足を使った野球が持ち味の糸満高で培った経験を大学で生かす考えだ。
「リーグ戦には本気で優勝するという気持ちで挑む」と強い決意を胸に抱いている。そして「常に全力で走って結果に出ない部分でもしっかりとプレーしたい」。リーダーとして挑む新たなシーズンに向けて気合は十分だ。（平安太一）
