女性のコワさが理解できるデビュー作
ボーカルmioを中心とした4人組のデビュー作。すぐに聞けば、ジャケットの目隠しシールをはがす必要はない。
表題曲は、“不倫は(文化じゃなく)犯罪です”とイントロで連呼する中で、正妻から裁判書類を突き付けられた女性の本音をさらけ出したハードロック。“私は悪くない”と開き直るのも今風だし、何が本当の愛なのかと逆に問いただす点も男たちをドキリとさせる。
カップリングの『史上最幸のクリスマス』も、曲調こそドリカム『大阪LOVER』風で楽しげだが、男の浮気の発見前/発見後の愚かさをリアルに描いたドラマ的な作品。
恋のエグみを男に突きつける様子やまくしたてる声は椎名林檎風、恋と同時に傷つく状況や切ない声は初期浜崎あゆみ風、といずれも女性の絶大な支持を集めるポテンシャルは満タン。隠しトラック内の“歌うために生きるんじゃなく、生きるために歌う”という弾き語りも痛烈。本作を聞けば、女性のコワさが深く理解できるはず。
(ソニー・926円+税)=つのはず誠
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つのはず誠のプロフィル
つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、T2U音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションCDの企画・選曲などを手がける。
(共同通信)
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