県内のポテト供給滞る 米西海岸、船会社労使交渉が影響


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エイアンドダブリュ沖縄のフェイスブックのメッセージ=7日

 海を越えたアメリカ西海岸で船会社と労働者との労使交渉が難航し、沖縄にも影響が出ている。ストライキも起きて輸送船の運航に支障が出ており、米国から直接輸入しているイバノ(浦添市)は昨年11月に到着予定の船が着かず、県内ホテルへのポテトの供給が滞っている。

ファストフードのエイアンドダブリュ沖縄(浦添市)は7日、原料調達が不安定でカーリーフライの販売を10日から一時休止すると発表した。別の供給ルート構築に努めているが、困難な状況だという。解決のめどは立っていない。
 イバノは県内の多くの大手ホテルや飲食店にポテトを卸している。ポテト関連のコンテナは通常は毎月2~3本、那覇に届くという。
 イバノの担当役員は「ここまで遅れるのは予想していなかった。ホテルや飲食店には12月中ごろから迷惑を掛けている。11月中ごろに入る予定の船がようやく1月3日に入港し、8日から通関手続きをする。その後の契約は船の運航のめどが立っていない」と話した。
 エイアンドダブリュ沖縄は7日、カーリーフライと関連メニューを10日から一時販売を休止すると発表した。米国からの原料調達が不安定なためで、1月下旬に入荷予定があるが、次の入荷は未定。県内の全店舗に販売休止を掲示、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でもおわびを掲載した。マッシュポテトから作る「スーパーフライ」は従来通り販売を続ける。
 米西海岸の港湾労使交渉は去年5月、ロサンゼルスやロングビーチの港湾を使う船会社と労働者との間で始まった。交渉は6年に1度行っている。今回は米経済の回復に伴い、労働者側に賃上げへの期待が強く、交渉を長引かせている背景となっている。西海岸では山積みになったコンテナが輸送されないままになり、食品が腐る状況も起きている。(滝本匠)