埋葬日本兵名簿確認を ガマフヤーと佐賀のNPO


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名簿の周知を語る沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表(右)とNPO法人「戦没者追悼と平和の会」の塩川正隆理事長=19日、県庁

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表(60)とNPO法人「戦没者追悼と平和の会」(佐賀県)の塩川正隆理事長(70)は19日、県庁で記者会見し、県内の米軍捕虜収容所に埋葬された日本兵や軍属ら237人の氏名が記載された名簿について、心当たりのある遺族へDNA鑑定を希望するよう呼び掛けた。

名簿には県出身者とみられる氏名も50人以上記載されている。遺族にDNA鑑定を呼び掛けることで、今後収集する遺骨を遺族への返還につなげる考えだ。
 名簿には「ウエハラ」「タマシロ」など県出身者とみられる氏名のほか、朝鮮籍とみられる氏名もあった。具志堅代表は「兵隊の収容所は基本的に金武町の屋嘉収容所だけだった」として、名簿に記載された人の遺骨は同収容所跡地にある可能性が高いとみている。埋葬された場所もおおよそ特定しているという。今後、平和の礎に刻銘された戦没者名簿などと照合して氏名を都道府県別に分け、遺族にDNA鑑定を呼び掛ける。国や県には同跡地での収骨作業と、収集された遺骨と遺族のDNA鑑定を求めるという。
 名簿は2009年に塩川理事長らが米国立公文書館で発見した。塩川理事長は収骨のため先週から沖縄を訪れており、具志堅代表が屋嘉収容所埋葬跡地での収骨作業を検討していたことから、名簿の存在を伝えた。
 いまだに多くの遺骨が眠るとして、本島北部の米軍収容所跡での収骨を県に求めている具志堅代表は「遺族は高齢化しており急がなければならない。本来は国がするべきことだが、行政が進めない場合にはDNA鑑定を含めて作業をこちらで進めたい」と話した。塩川理事長は2月にも厚生労働省に同跡地での収骨作業を求める予定だという。
 名簿は戦没者追悼と平和の会ホームページで確認できる。名簿の氏名に心当たりがある場合の問い合わせは(電話)090(3796)3132(具志堅代表)。