台中市の林佳龍市長は19日の市議会で、台北101を超える超高層タワー「台湾タワー」の建設計画を中止すると発表した。建設予算が当初の80億元(約300億円)からほぼ倍になるため、財政的に執行困難だと判断したもの。
林市長は、市議会当初が提出した1日の来場者数を1万人以上とする予想も甘すぎると批判。タワー建設でいたずらに不動産価格の高騰を招いていることにも言及し、タワーの建設が市民の支持を得ているとは思えないと述べた。
建設中止により市が支払う違約金は3億元(約11億円)弱。建設の中止で3万3千トンの鉄鋼の節約にもなった。市長は今後あらためて炭素排出量の低減を実現し、文化的で市民の共感を得られる未来型の都市づくりを進めていきたいとしている。