「洋楽＝２」ベット・ミドラー『イッツ・ザ・ガールズ！』

ポップス黄金時代のガールズ・グループをトリビュート
　６９歳のベット・ミドラーの新作は１９６０年代を中心にしたガールズ・グループのヒット曲集、アレサのソウルに対峙するポップな企画です。ジャニス・ジョプリンをモデルにした７９年の映画『ローズ』では個性派女優の印象が強かったのですが、歌手としては正統派のポピュラー・シンガーです。

　４５年ハワイ生まれ、舞台女優をめざしブロードウェーに進出、『屋根の上のバイオリン弾き』にも出演しています。８８年の映画『フォエバー・フレンズ』の主題歌『愛は翼にのって』でグラミーを受賞。ミュージカル女優の映画主題歌といえばジュリー・アンドリュースや今日のイディナ・メンゼルに近い存在だったのかもしれません。
　『あたしのベビー』『ワン・ファイン・デイ』『テル・ヒム』など懐かしいガール・ポップを楽しそうに歌う彼女に“歌”に対する愛情を感じざるを得ません。オリジナル以外にこれまで彼女が多くのスタンダード・カバー・アルバムを発表している理由がわかります。
　（ワーナー・ミュージック・２２００円＋税）＝北澤孝
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北澤孝のプロフィル
　きたざわ・たかし　１９４７年、東京生まれ。小学生のころからダイナ・ショアなど洋楽を好み、大学時代はニューオリンズ・ジャズ・クラブに所属し、トラッド・ジャズを研究。その後レコード会社、音楽出版会社に勤務。携わったアーティストは、ポール・モーリアからボン・ジョヴィ、ブリトニー・スピアーズ、ＭＯＮＫＥＹ　ＭＡＪＩＫ、Ｓｕｐｅｒｆｌｙまで多岐にわたる。
(共同通信)