普天間の固定化強調 首相、辺野古移設中止で


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 【東京】安倍晋三首相は3日の参院予算委員会で、昨年の県知事選で米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する翁長雄志知事が当選したことに関し「辺野古移設を取りやめれば普天間はそのまま続いていくことになる」と述べ、移設しなければ普天間は固定化するとの考えを強調した。社民党の福島瑞穂氏への答弁。

 首相は「日本の要請によって(1996年に)橋本龍太郎首相とモンデール駐日米大使の間で普天間移設が決まり、移設先として辺野古が決定した」と述べた。
 菅義偉官房長官は、移設作業の強行に反対する抗議行動への警備活動で市民らにけが人が出ていることについて「海上保安庁、警察庁は法令に基づいて適切な対応を取っている。丁寧に警備しているということで、直接けが人が出ているとの報告を受けていない」と述べ、過剰警備ではないとの見方を示した。
 中谷元・防衛相は県が辺野古埋め立て承認を検証する有識者委員会を設置したことについて「公有水面埋立法に基づく審査を経て、県知事が承認している。手続きは関係法令によって適正に行われた」と述べた。
 安倍首相は翁長知事との会談に応じていないことについて「政府としては基本的にしかるべき対応を取っている」と強調。「今後、翁長新知事、そのスタッフとの信頼関係が生まれていく中で対応していきたい」と述べるにとどめた。