普天間基地返還で32倍の経済効果 沖縄県試算


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基地返還前後の経済効果(クリックで拡大)

 沖縄県企画部は4日までに、在沖米軍基地の返還後の経済効果に関する試算を新たにまとめた。返還後の直接経済効果は普天間飛行場で現在の32倍となるなど、跡地開発に伴う経済成長の可能性があらためて浮き彫りになった。

既に返還された土地の直接経済効果は北谷町の桑江・北前地区で返還前の108倍、那覇新都心地区で32倍に達した。
 県は2007年3月に同様の報告をまとめていたが、市町村の産業活性策や直近の統計を反映させて再計算した。
 今後返還が予定されるキャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧、普天間飛行場、牧港補給地区、那覇軍港の5施設が返還された場合の直接経済効果は合計で現在の18倍。これを基に誘発される経済波及効果の試算では、雇用が現在の4400人から18倍の8万503人に、税収は57億円から18倍の1004億円に増える見込みだ。
 普天間の直接経済効果は現在120億円で、返還後は3866億円と試算。雇用は現在の1074人から32倍の3万4093人、税収は14億円から32倍の430億円となる。
 基地跡地では北谷町の桑江・北前の直接経済効果は返還前の3億円から336億円、那覇新都心は返還前の52億円から1634億円に上る。両地区に小禄金城地区を加えた3地区の合計では返還前の28倍の経済効果と試算した。
 県企画調整課は「跡地利用を進めることで大きな経済効果が生まれる。早期返還、早期の跡利用計画策定が重要だ」と指摘している。(古堅一樹)
英文へ→OPG estimates return of US Futenma base will bring 32 times the economic benefit