県、「石垣―那覇」の航空運賃軽減継続を困難視


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 【石垣】民事再生手続き中の航空会社スカイマークが3月29日に那覇―石垣、那覇―宮古の両路線から撤退することを受け、県は離島住民の航空運賃を軽減する「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業」を4月から宮古―那覇線に適用する一方、石垣―那覇線は対象から外した。

県交通政策課は現在の運用基準上では適用は難しいとした上で、今後の運賃動向を注視したいとしている。
 一方、石垣市議会(知念辰憲議長)は9日の臨時会で、同社撤退後に他の航空会社が運賃を値上げした場合の影響は大きいとして、県知事などに同制度の適用を求める意見書と要請決議を全会一致で可決した。
 県交通政策課によると、同運賃軽減制度は航空会社間の競争がないことなどが制度の適用条件となる。石垣―那覇はスカイマークが撤退するものの、3月29日に新規に就航するスカイネットアジア航空(ソラシドエア)が、運賃を日本トランスオーシャン航空(JTA)や全日本空輸(ANA)よりも低額に設定し、価格差が生じていることから「競争状態にある」と判断している。
 一方、宮古線は運航する各社の普通運賃が同額で、競争がないとして適用条件を満たすという。
 県は2012年度に一括交付金を活用して軽減制度を開始。石垣市も助成の対象となっていたが、低価格のスカイマークが13年7月に就航し石垣線の運賃が下がったため、県は「運賃が競争状態にある」として同市への制度適用を保留してきた。
 9日の石垣市議会では、JTA、全日空の2社と参入するソラシドエアの普通運賃はいずれも2万円台で、価格差も5千円ほどにとどまるとして「競争状態にない。適用を受けていた時期と比べ運賃が高くなるのは明らかで、大きな問題だ」(意見書などを提案した砥板芳行氏)との声が上がった。