コラソン、逆転負け JHL、大崎に27―35


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琉球コラソン―大崎電気 後半、サイドから攻め込むコラソンの村山裕次(左)=8日、名護21世紀の森体育館(普久原裕南撮影)

 日本ハンドボールリーグ(JHL)5位の琉球コラソンは8日、1位の大崎電気と対戦し、27―35で敗れた。通算成績は4勝1分け6敗となり、順位に変動はなかった。次戦は11日、大分県別府市総合体育館で2位のトヨタ車体と対戦する。

▽男子
大崎電気(12勝)
35―27(15―17,20―10)
琉球コラソン(4勝1分け6敗)
 (トヨタ車体はプレーオフ進出)

 【評】前半はコラソンが堅守速攻で流れをつかみ、17―15で折り返した。後半7分半に6点差までリードを広げたが、守備システムを変えた相手に対して足が止まり、一気に失速。残り5分から6連続得点を許すなど大崎に地力の差を見せつけられた。(大城周子)

◆足が止まってしまった
 東長濱秀吉監督の話 いいペースで進めていたのに何をきっかけにおかしくなったのか。足が止まってしまったのが一番の原因。6点差をひっくり返されるのは重症だ。ちょっと崩れると一気にいってしまう。立て直して残り5試合しっかり戦う。

◆大崎電気・東長濱 パスさばき光る
 大崎電気の主力、東長濱秀希(ほずき)=興南高―日体大出=は落ち着いたパスさばきが光った。後半はベンチで試合を見守り、「後半はミスからの逆速攻を減らして守備で踏ん張ることができた」と勝因を振り返った。
 チームは今季、国体制覇を皮切りに全日本総合優勝、リーグは全勝と圧倒的な強さを見せている。プレーオフ進出も既に確定しており、東長濱は「残りの試合はプレーオフに向けて結果より過程を大事にしたい」と質の高いプレーを誓う。
 コラソンの大黒柱で兄の秀作は「兄弟そろって日本のトップでしのぎを削っている。最後は同じユニホームでプレーしたい思いもある」と言う。まずはプレーオフでの兄弟マッチアップに期待したい。

◆一時優位もミスから失速
 大歓声がため息に変わる。もはや見慣れた光景だ。2カ月ぶりのリーグ戦に臨んだ琉球コラソン。現在無敗で首位を走る大崎電気に対して一時6点のリードを奪いながら、ミスから失速して逆転負けを喫した。「本当に情けない」「ただただ、悔しい」。選手たちに苦悩がにじんだ。
 途中まで今季一番の出来だった。エース棚原良や最近調子を上げてきた村山裕次が積極的に点を奪い、縦に横にと連動して攻めた。だがリードを広げた直後、流れはがらりと変わった。水野裕紀は「慎重になりすぎた」、東長濱秀作は「自分たちのいい流れなのに相手(のペース)に付き合ってしまう」と言う。ミスで簡単に相手へボールを渡し、次はミスを恐れて消極的になる。単調な「早撃ち」のシュートが増え、退場者も出ていら立ちが募る。27―29の残り5分。完全に足が止まったコラソンに対し、王者は手を緩めることなく一気に畳み掛けた。
 村山は「秀作さんや良に頼ってしまった」と終盤を悔やむ。上位チームには必ず“起爆剤”になる選手がおり、周りは頼るのではなくその勢いに相乗りする。近年常にコラソンの課題とされる、優位に立ってからの失速。棚原は「もっと本気でぶつかり合って、全員のメンタルを変えないと勝てない」と語気を強める。負の連鎖を断ち切るしか、プレーオフ進出への道はない。(大城周子)