なっちゃんの夢、形に 仲間が闘病中の詩でCD完成へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
CDアルバム「七色の中に」のジャケット

 歌手になる夢を持ちながら2014年2月、がんのため亡くなった儀間夏海さん(享年19)が、書きつづった歌詞に曲をつけるプロジェクト「なっちゃんの夢を叶(かな)えるプロジェクト」が制作したCDアルバム「七色(にじ)の中に」が3月、完成する。同21日にアルバム発売記念コンサートがある。

 夏海さんの母・ひとみさん(45)は「約1年と短い期間だが、周囲の人のおかげで完成した。本当は完成する時に夏海もいてくれればと望んでいたけれど、こうして形に残せて喜んでいるはず」と話す。

 夏海さんは中部商業高校時代、野球部マネジャーの傍ら、夢を実現させようと作詞作曲に励んでいた。しかし11年に病気を患い、闘病の末に亡くなった。その後、闘病中に書きためた歌詞が発見され、昨年10月には歌手の貴之さんと花城舞さんが詞に曲をつけ、読谷村で開かれたまつりで歌を披露した。

 アルバムにはクーペ&Shifo、花城さん、貴之さん、natchyさんの4組のアーティストが参加した。

 夏海さんが唯一作詞作曲した「卒業~未来への一歩~」も収録される。夏海さんが同級生の卒業式のためにと手掛けた曲だ。ひとみさんは「闘病中に苦しんでいる中で完成した曲。ことしの中部商業高校の卒業式でも歌われると聞いている」と夏海さんの思いが引き継がれていることに感慨深げだ。

 4組が出演するライブが2月21日、那覇市の南西観光ホテルレストランであり、アルバムに収録する楽曲も披露される。午後4時(前売り2千円、当日2500円)、同7時(前売り4千円、当日4500円。食事付き)の2回公演。問い合わせは事務局(電話)098(988)8670。