「加害者が悪い」認識の共有必要 性暴力防止フォーラム


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子どもたちの身近に性被害につながる危険が潜むことを、分かりやすく演じた小喜劇ユニット「あぎじゃび商店」のメンバー=12日、那覇市の県立博物館・美術館

 性暴力や性犯罪防止について考えるイベント「with youフォーラム 性暴力についてあなたに知ってほしいこと」(県子ども生活福祉部平和援護・男女参画課主催)が12日、那覇市の県立博物館・美術館講堂で開かれ約100人が参加した。

お笑い芸人による劇や出演者らを交えたディスカッションを行った。登壇者らは性被害が誰の身近にもある問題で「性暴力で悪いのは加害者であって、被害者の落ち度ではない」ことなどを確認。正しい認識を県民が共有する必要性を伝えた。
 フォーラムは演劇集団FECのメンバーによる小喜劇ユニット「あぎじゃび商店」の喜劇で始まった。
 「ゲームをすると、たくさんの友達ができるんだよね~」。スマートフォンでインターネットゲームを楽しむ女子高生のなつき。同じ女子高生から「友達になろう」とメールがあり、気軽に交流を続けていくうちに写真の送信を求められ、会う約束に。だが、現れたのは女子高生ではなく、年齢も性別も偽った男性だった、というエピソードを分かりやすく演じた。
 ヤギのシルーは「出会い系だけが危険なわけじゃないよ~。誰でも犯罪に巻き込まれる可能性があるよ」と語り、児童生徒がよく使うインターネットゲームやコミュニティーサイトでも大人が性別や年齢を偽り、児童と出会う目的で利用するケースがあることを報告した。
 メンバーは難しい問題に笑いを交えつつ、性被害の危険性が子どもたちの身近に潜むことを説明。人々の誤った認識が原因で、被害を訴えられない場合が多いことも伝えた。