泡盛の101H酵母開発 香り強くフルーティー


社会
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 バイオジェット(うるま市、塚原正俊社長)と奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)、琉球大学は20日までに、共同研究で新たな泡盛酵母「101H酵母」を開発した。

従来の泡盛101号酵母よりも芳香成分が強く、甘くフルーティーな風味が引き出せる特徴がある。今後、新里酒造(沖縄市)と共に101H酵母の泡盛の開発を進め、2015年度中の商品化を目指す。
 101Hは、現在ほとんどの酒造所で使われている泡盛101号酵母を親株とし、奈良先端科学技術大学院大学の高木博史教授の育種技術を応用した酵母。酵母中のアミノ酸の一種、ロイシンを増やすことで、香りの成分である「酢酸イソアミル」を親株より増やすことに成功した。
 共同研究は県の琉球泡盛調査研究支援事業の一環。3者はこれまでの共同研究で泡盛醸造に応用可能なハイビスカス酵母の採取などに成功している。塚原社長は「101H酵母が普及すれば泡盛のバリエーションも増えるのではないか」と期待を示した。高木教授は「自分の研究が実用化されることは、研究者としての大きな夢だった」と語った。

新たな泡盛酵母「101H酵母」の開発に成功したバイオジェットの塚原正俊社長(右)と奈良先端科学技術大学院大学の高木博史教授(中央)ら=19日、琉球新報中部支社
新たに開発された101H酵母(高木博史教授提供)