歌手も女優も様になる中島らしい企画
10の楽曲を、10の詩で紡ぐという、歌手も女優も様になる彼女らしい企画。全10曲中9曲は、既にシングルのカップリングやアルバムに発表したものだが、まとめるとより豊穣な作品となる。
特に、葉加瀬太郎が手がけた『雪の華』や、武部聡志が手がけた新録『桜色舞うころfeat.溝口肇』など、弦楽器やピアノが強調された作品群は、歌声が醸し出す感情も際立ち、まるで雪や桜の欠片が生きているかのようだ。
他方、レゲエ・ディスコ・ロッカーズがリミックスした『一番綺麗な私を』は、原曲にある過去の切なさが、未来への希望で上塗りされるようで面白い。繊細にも大胆にも変われるのは、中島が常に不思議な存在であり続けるからだろう。
「あなただけが、最後の“初恋”」や、「なぜ“裏切らせた”のだろう」など、自身が手がけた詩の内容もドキリとさせられ、続く楽曲をより深く聞かせるのに効果的。本作から、服装や髪形を変えた時に、新たな気分で加速できるはず。
(ソニー・DVD付き初回盤3000円+税、通常盤2600円+税)=つのはず誠
(共同通信)
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つのはず誠のプロフィル
つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、T2U音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションCDの企画・選曲などを手がける。
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