軽便与那原駅舎 鮮やか 画家・新城さん、作品贈る


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古堅國雄町長(左から3人目)に絵を寄贈した新城喜一さん(同4人目)=3日、与那原町役場

 【与那原】画家の新城喜一さん(81)=那覇市=が3日、与那原町役場に古堅國雄町長を訪ね、沖縄戦で破壊される前の県営鉄道(軽便鉄道)与那原駅舎とその周辺の風景を描いた絵を寄贈した。

絵は、1月に開館した軽便与那原駅舎展示資料館で展示される。
 絵は縦約85センチ、横約1メートル70センチと大きく、駅舎の南側から与那原の町並み、運玉森や海上の山原船などを望む構図。淡く素朴な色彩で描かれている。
 新城さんは10代後半から映画の看板や、沖縄芝居の背景の幕などの舞台美術を手掛けていた。本格的に水彩画を始めたのは70代からで、2005年には戦前の沖縄の原風景を多数描いた画集を出版した。今回寄贈した絵も収められている。
 戦前、西原に住む親戚に会うため、那覇から与那原まで軽便鉄道に乗っていたという新城さん。「戦前の沖縄には情緒豊かな風景がいっぱい広がっていた。今後も記録として絵に残していきたい」と語った。
 古堅町長は「非常にリアルに描かれている。貴重な資料となるだろう」と感謝した。