「ＤＶＤ＝１」BUMP OF CHICKEN『WILLPOLIS 2014』

童心を失わないバンドのドキュメンタリー作品

　幼稚園時代からの幼なじみ４人で構成されるロックバンド。１９９４年、中学校の文化祭のために現メンバーの藤原基央、直井由文、升秀夫を含めたメンバーで結成され、それから２０年。幼なじみ同士でバンドを続けているというだけで奇跡的だが、彼らの音楽は人々の心を確実につかんで、下北沢のライブハウスから東京ドームを舞台にするバンドへと成長した。

　本作は“ツアードキュメンタリーＤＶＤ”と銘打ってあるだけに、いわゆる“ノーカットライブＤＶＤ”とは趣向が異なる。メンバーの語りから始まり、ライブ映像のあいだにメンバーのコメントやツアーの舞台裏の様子、架空の街・ＷＩＬＬＰＯＬＩＳ（ウィルポリス）を舞台にしたＣＧアニメーションなどが挟まれ、１本のドキュメンタリー作品に仕上がっている。
　人気マンガの『３月のライオン』とコラボレーションした曲『ファイター』を配信限定で発表したり、『ｒａｙ』ではバーチャルアイドルの初音ミクと共演したりと、遊び心のある活動が面白い。今や３０代半ばの彼らが幅広い世代の心に受け入れられるのは、時代に柔軟に対応し、いつも童心を失わない、永遠の少年性にもあるのだろう。
　（トイズファクトリー・５２７８円＋税）＝小西樹里
（共同通信）
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小西樹里のプロフィル
　こにし・じゅり　１９７７年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、２００６年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論／動静ウオッチャーでもある。