クジラを観光資源に 名護湾周辺、7割超の確率


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名護市の調査で、姿を確認したザトウクジラ1頭=11日、伊江島沖(名護市役所提供)

 【名護】毎年1~4月になると、名護湾にふらりと“立ち寄る”ザトウクジラを観光資源にしようと、名護市が2011年から漁船を使った回遊経路調査を続けている。11日の調査でも伊江島付近の海面を悠々と泳ぎ、潮を吹くザトウクジラ1頭を確認した。

名護湾では、まれにクジラが海岸近くに姿を現し、アクロバティックなジャンプで市民や観光客を沸かせている。市は新たな風物詩にするため、ホエールウオッチング事業なども展開したい考えだ。
 ザトウクジラは夏は北極周辺で過ごし、冬は南方へ移動する。市が11年から伊江島周辺を含む名護湾で調査を27回実施しており、約7割以上の確率になる21回、クジラを確認している。確認できた頭数は、11年が107頭、12年は76頭、13年は14頭、14年は11頭だった。クジラは海上で巨体を持ち上げて倒れ込むブリーチングや尾びれを海面に振り下ろすテールスラップなど、ダイナミックな水面行動も見せるという。
 市産業部の金城進部長は「ホエールウオッチングの事業化までは不確定要素が多いので調査を継続する必要がある。ただ、別の街中散策事業と絡めた展開も検討していきたい」と語った。