泡盛粕を活用し養豚飼料に 民間業者ら補助受け研究


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泡盛粕を養豚飼料に活用する技術を開発した泡盛蒸留粕飼料化確立協議会の宮城健太代表(中央)ら=20日、西原町の琉球大学

 泡盛蒸留粕飼料化確立協議会(沖縄市、代表・宮城建太オキスイ代表社員)は20日、泡盛を蒸留した際に発生する未利用資源の粕(かす)を養豚用飼料に活用する研究成果を発表した。配合飼料を使う従来より飼料コストを約8%削減できるという。食品かすを利用したオキスイ(同市)の独自飼料「くいまーる飼料」と同等の栄養分になる技術も開発した。2016年度の実用化を目指す。

 研究には農林水産省の14年度エコフィード緊急増産対策事業を活用した。助成額は249万2千円。研究継続に向け15年度も同事業の活用を申請している。
 泡盛粕だけではくいまーる飼料に比べ糖分が少ないため、白米を配合し同等な栄養分を実現した。特定の乳酸菌を加えることで、腐敗の早さも解決した。
 飼料を液体状にして与える「リキッドフィーディング」という方法を活用する。養分の吸収を促進するほか、牛乳など飲料残さも飼料化できるという。
 養豚に飼料を与える試験は14年10月~15年1月、84日間実施した。
 宮城代表社員は「次年度は一般的な配合飼料でも研究を実施する。実用化後はオリジナルブランドの養豚開発にも取り組みたい」と力を込めた。