「平和の礎」創設にノーベル賞を 推薦実行委結成へ


社会
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 戦後70年、「平和の礎(いしじ)」建立20年の節目の年に、その理念を世界に広めようと、「平和の礎」を創設した沖縄の人々を2016年度ノーベル平和賞に推薦する活動が県内で始まる。石原昌家沖縄国際大名誉教授や高良鉄美琉球大法科大学院教授ら呼び掛け人が26日、県庁で会見した。

 米軍の沖縄本島上陸から70年となる4月1日午後7時から「命(ぬち)どぅ宝の魂(マブイ)を継承し、平和の礎を創設した沖縄の人びとへノーベル平和賞を!」実行委員会の結成総会を那覇市の教育福祉会館で開く。実行委結成後、ノーベル平和賞受賞を目指し、推薦人と推薦の賛同署名を募る。推薦人になれるのは大学教授、国会議員、過去のノーベル平和賞受賞者ら。
 「平和の礎」は1995年に建立された。世界の恒久平和を願い、国籍や軍人、非軍人の区別なく、沖縄戦などで亡くなった人の名を刻んでいる。
 会見で呼び掛け人らは「命どぅ宝」(命こそ宝)は「生きとし生ける全ての生命を大切にする沖縄の普遍的平和思想」で、この思想が「平和の礎」創設と結び付き、命の大切さ、尊厳を表してきたと説明した。
 高良教授は「沖縄の人々は強く平和を求める思いで70年間活動してきた。これはノーベル平和賞に値する」と強調した。石原名誉教授は「世界では命をないがしろにすることが起きている。世界が混迷している今こそ『命どぅ宝』を世界にアピールできたらと思う」と話した。
 16年度ノーベル平和賞の推薦受け付けはことし10月1日から来年2月1日まで。