「大ヒット盤」ｗｈｉｔｅｅｅｅｎ『愛唄～ｓｉｎｃｅ２００７～』

４人の声は純白そのもの
　映画『ストロボ・エッジ』の主題歌歌唱を賭けたオーディションで選ばれた１０代女子４人の初作品。グループ名は、“白き心を忘れずに”という想いが込められたそうだ。

　表題曲は、ＧＲｅｅｅｅＮのカバー。愛し続けようと男性が勇ましく歌う原曲とは対照的に、本作では、自信のない女子が、恋する気持ちを守るべく、幼くも健気に歌うという逆のアプローチが面白い。自ずと、この２人なら上手くいくだろうと思えてくる。
　カップリングの『ハンブンコ』は、ドリカムやゆずの初期を想起させる爽快なポップス。友達と恋人の間で揺れる感情が繊細ゆえ、これはどんな実力派シンガーよりも、彼女たちが歌うのがふさわしいだろう。決して音程が悪いわけでもなく、さりとて技巧にも走らない４人の声はまさに純白そのものだ。
　今後は４人の個性が分かる作品も期待したい。本作を聞けば、はるか昔に誓った約束や、当時の真っすぐな気持ちを思い出して、忘れかけていた夢に挑めるはず。
　（ユニバーサル・１０００円＋税）＝つのはず誠
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つのはず誠のプロフィル
　つのはず・まこと　１９６８年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、Ｔ２Ｕ音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションＣＤの企画・選曲などを手がける。
(共同通信)