沖縄戦 本質ゆがめる 県民大会決議実現させる会 教材批判に抗議


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沖縄戦副教材「知る沖縄戦」への圧力に対し抗議声明を発表した「9・29県民大会決議を実現させる会」=26日、県庁

 「集団自決」(強制集団死)の軍命を歴史教科書に明記するよう活動している「9・29県民大会決議を実現させる会」(玉寄哲永世話人)は3月26日、県庁で会見を開き、朝日新聞が作った中高生向け沖縄戦副教材「知る沖縄戦」について産経新聞が「一方的な歴史観」と批判したことなどに抗議する声明を発表した。

 声明では「沖縄戦の本質と真実をゆがめようとする不当な動きを看過することができない」と述べている。さらに「全国の教員関係者が不当な圧力などに戸惑うこと」がないよう強く呼び掛けている。
 沖縄戦体験者の玉寄世話人は「知る沖縄戦」は沖縄戦を適切に説明していると評価し「沖縄戦の地獄のような実態を知らない人が(同教材を使用するなと)言えるのか」と批判した。
 声明文は産経新聞社や文部科学大臣などに送付するほか、全国の教育委員会などにも送付し、学校現場での「健全な学習環境の確保」を呼び掛ける。
 2014年9月以降、大阪府吹田市の議会で「知る沖縄戦」の使用を問題視した市議に同調した産経新聞の報道などをきっかけに、「知る沖縄戦」の使用を取りやめた例がある。