琉球新報社 米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する翁長雄志知事が米政府に沖縄の民意を直接訴えるために計画している訪米行動について、早ければ５月後半にも実施する方向で調整していることが分かった。翁長知事は、４月下旬の日米首脳会談の前にキャロライン・ケネディ駐日米大使と会談したい意向を駐日米大使館側へ打診。
日本政府が移設を強行する中、米側への直接の働き掛けを強める。
翁長知事は７日、アルフレッド・マグルビー在沖米総領事、在沖米軍トップのジョン・ウィスラー四軍調整官と３者会談した。県は内容を明らかにしていないが、訪米やケネディ大使との会談の調整などを要請したとみられる。できるだけ早期に訪米し、米国防総省や国務省などの高官に対し、辺野古移設への反対を伝えたい考えだ。
複数の県幹部によると４月中の訪米は難しい状況で、６月の県議会定例会までには実施できるよう調整する。与党県議らによると、５月１７日に沖縄セルラースタジアム那覇で開く１万人規模の県民大会の直後に訪米する案もあるという。
ケネディ大使との面談に関する調整は、６日の県幹部らの庁内会議でも進捗（しんちょく）状況が報告された。県幹部は「安倍晋三首相がオバマ大統領と首脳会談をする前に沖縄の思いをぶつけたいということだ」と話している。
県はワシントン駐在員として元在沖米総領事館特別補佐官（政治担当）の平安山英雄氏を赴任させ、訪米の準備を進めている。
翁長知事は５日に行われた菅義偉官房長官との会談で、戦後の強制接収によって米軍基地が建設され、県民が過重な負担を背負わされてきたことを踏まえ、辺野古移設断念を求めた。さらに昨年の知事選や名護市長選、衆院選などで米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する県民の民意が示されていることも強調した。米側へも直接、こうした考えを伝え、辺野古移設断念を求めるとみられる。
