「ＤＶＤ＝１」QURULI『THE PIER LIVE』

新しい音につねに挑戦

　くるりは、京都・立命館大学の音楽サークル出身のロックバンド。数回のメンバー交代を経て、現在は3人で活動するが、さらに4月のツアー以降はまた新しい体制で活動を行うとのこと。ワンマンライブツアー『金の玉、ふたつ』から、２０１４年１１月１１日に行われた東京・中野サンプラザ公演を収録した２枚組となっている。

　淡々としていて変わらない存在感を保ちながらも、アルバムごとにテイストが大きく異なる音作りに取り組み、時代性を映した新しい音につねに挑戦している。リスナーとしても、好みのアルバムとそうでもないアルバムがあるところが魅力のひとつ。本作では、最新アルバム『ＴＨＥ　ＰＩＥＲ』からの楽曲に加え、『ワールズエンド・スーパーノヴァ』『ロックンロール』『東京』『ばらの花』なども演奏する。そして、『ＴＨＥ　ＰＩＥＲ』のラスト曲でもある『Ｔｈｅｒｅ　ｉｓ　（ａｌｗａｙｓ　ｌｉｇｈｔ）』でライブを締めくくる。
　だいぶ個人的な感想になるが、細身に黒ぶちメガネがトレードマークだったボーカルの岸田繁が、年相応になったのか、印象がずいぶん変わっていたことには驚いた。特典映像『ＴＨＥ　舞台裏』では、ライブ初日の機材の搬入からリハーサル、ライブ後の搬出までしっかり映されていて、緊張感の中にゆるさの漂うところもやはり魅力的だ。
　（ビクター・５０００円＋税）＝小西樹里
（共同通信）
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小西樹里のプロフィル
　こにし・じゅり　１９７７年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、２００６年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論／動静ウオッチャーでもある。