ヤンバルクイナ 飼育下で初、第2世代が誕生


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飼育下で誕生した親鳥に続いて歩く、第2世代のひな鳥=10日、国頭村のヤンバルクイナ救急救命センター(環境省やんばる野生生物保護センター提供)

 【国頭】環境省のやんばる自然保護官事務所は10日、飼育下で誕生したヤンバルクイナの雌雄が自然繁殖し、3羽のヒナが誕生したと発表した。

飼育下で第2世代が誕生するのはまれで、希少性の高いトキやコウノトリなどに限られるという。ヤンバルクイナでは初めて。
 ヤンバルクイナの野生の個体数は約1500羽とされ、同事務所は減少に対応する技術として今後も研究を続けるという。
 繁殖は環境省ヤンバルクイナ保護増殖事業の一環。県内では23件の人工ふ化が確認されている。同省は2013年ごろから、飼育下で誕生した成鳥による繁殖に挑戦してきた。第2世代の誕生は飼育方法や血縁関係に基づく相性の決定、繁殖時期など研究データが奏功したという。同事務所の山本以智人自然保護官は「画期的だ」と喜んだ。
 他にもヤンバルクイナの雌雄2組の自然繁殖に成功している。3月30日に4羽がふ化し、卵1個は人工ふ化に移行している。