介護福祉士に一発合格 インドネシア、比国出身5人


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介護福祉士の国家試験に合格した、(前列左から)セプティアン・アディ・ヌグロホさん、アフマド・ルクマン・ハキムさん、(後列左から)ピタ・ユニ・スパナさん、ラグンディノ・メリー・グレイス・トナカオさん、イグナシオ・アイラ・カシミル・アンチェタさん=14日、南城市大里字大城の特別養護老人ホーム「東雲の丘」

 【南城】南城市大里字大城の特別養護老人ホーム「東雲の丘」(石島衞理事長)で就労して3年になるインドネシア人、フィリピン人の計5人がこのほど、介護福祉士国家試験に合格した。

就労と試験勉強を両立させながら、日本の国家試験に一発合格した5人は「ずっと頑張っていたからよかった」と笑顔をはじけさせた。
 試験に合格したのはインドネシア人のセプティアン・アディ・ヌグロホさん(26)、ピタ・ユニ・スパナさん(29)、アフマド・ルクマン・ハキムさん(31)、フィリピン人のイグナシオ・アイラ・カシミル・アンチェタさん(29)、ラグンディノ・メリー・グレイス・トナカオさん(29)。
 「東雲の丘」は2010年から、国際厚生福祉事業団が実施する経済連携協定(EPA)に基づく看護・介護受入事業で2国からの就労者を受け入れており、現在13人が働いている。同事業で就労者を受け入れている県内の特別養護老人ホームは「東雲の丘」のみ。
 今回試験に合格した5人は11年に来日し、横浜や千葉での研修の後、同年冬から「東雲の丘」で勤務し始めた。利用者の入浴、排せつ、食事などの介助をしながら、毎週火曜日に日本語と介護の授業を5時間受講した。空き時間は試験勉強に取り組んだ。
 物価や食文化の違う異国での就労に、戸惑いやホームシックもあったという5人。だが「認知症の利用者に名前を覚えてもらったのがうれしく、仕事のやる気につながった」と語るイグナシオさん。セプティアンさんも「お年寄りが使う方言は難しかったけど、『チュラカーギーだね』と声を掛けると喜んでくれた」と笑う。
 本年度から「東雲の丘」で就労を続けるほか、自国や県外で働くなど、それぞれの道を歩み始める5人。
 「東雲の丘」で就労を続けるアフマドさんは「3年間は短く、もっと勉強して経験を積みたい。お世話になった施設にも恩返しがしたい」と意気込んだ。
 石島薫施設長は「5人は優秀で、利用者は彼らを孫のように思って接している。3年間でとても成長し、信頼できる人材だ」と太鼓判を押した。