南城の歴史 絵でつづる 画家の山崎さん、市勢要覧に掲載


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原画を古謝景春市長(中央)に手渡す山崎紀和さん(右から2人目)=17日、南城市役所玉城庁舎

 【南城】南城市が3月末に発行した2014年度市勢要覧の表紙と巻頭8ページに、市知念の久高島に住む画家・山崎紀和さん(38)の絵5枚が掲載された。

絵では琉球開びゃくから4町村合併までの市の歴史を、柔らかで素朴な画風で表現している。17日、山崎さんが市役所玉城庁舎を訪れ、古謝景春市長に原画を手渡した。
 市勢要覧の表紙を飾るのは、久高島北端のカベールから望む朝日を描いた「ニライカナイ」。巻頭の「生命のはじまり」では琉球開びゃくの神アマミキヨが降り立ったヤハラヅカサ、「王国のはじまり」では佐敷の湾を眺め、後に三山統一する尚巴志が描かれている。
 続く「復興のはじまり」では沖縄戦の戦禍から人々が集落を立て直す様子、「新たなはじまり」では4町村が合併した知念半島に虹が架かるる風景を表現した。ページをめくると絵本のように、市の歴史をなぞることができる。
 静岡県出身の山崎さんは、久高島に住んで約5年。半年かけて、5枚の絵を完成させた。「お年寄りの話を聞いたり、現地に行ったりして、自分の体験を基に制作に取り組んだ。絵が多くの人の目に留まり、喜んでもらえると幸いだ」と語った。
 古謝市長は「久高に昇る朝日は人を元気にさせる力がある。大変よいテーマだ」と喜んだ。
 5枚の絵は24日まで、市役所大里庁舎ロビーで展示される。市勢要覧は市役所2庁舎と2出張所、市文化センター・シュガーホールで希望者に配布している。