久辺3区と懇談会へ 政府、辺野古で条件整備


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 【名護】米軍普天間飛行場の移設先に近い名護市辺野古、豊原、久志の3区(久辺3区)と国は近く、3区の振興策に関する懇談会(仮称)を設置する。5月中にも第1回の会合を開く。26日の辺野古区民大会で嘉陽宗克区長が区民らに報告した。

 辺野古区などによると、政府側の参加者は防衛省や内閣府など省庁横断的な構成となる予定という。嘉陽区長は「条件整備に向け、ようやく国との協議の場ができた」と懇談会に期待した。
 嘉陽区長と宮城安秀市議、豊原区の宮城行雄区長らが22日上京し、菅義偉官房長官と面談して懇談会の設置を確認した。
 懇談会の構成員は久辺3区の区長のほか防衛省や内閣府の関係者ら。懇談会は名護市で開かれ、会合の結果は菅官房長官に報告される。
 久辺3区はこれまで、移設受け入れの条件として生活基盤整備や住民補償などの振興策を求めており、昨年9月に仲井真弘多知事(当時)と共に上京し、菅官房長官などに要請をしていた。しかし住民補償など、現在の法律上根拠がないことなどを理由に進んでいなかった。今回の懇談会では条件実現に向けて幅広く協議される見通し。
 9月に要請して以降、3区は国と水面下での交渉を続けてきたという。嘉陽区長は「作業は進んでいるのに区民への生活補償は進まないことに苦情もあった。区民の生命と財産を守る立場から協議したい」と語った。