側溝トマト、結実 隙間1センチ、生命力に驚き


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トマトが根を張った側溝を指さす安谷屋正輝さん=金武町

 【金武】誰も植えてないのに、道端からなぜかトマトが―。閑静な住宅地。金武町金武の安谷屋正輝さん(59)の自宅に面した道にある側溝の幅1センチほどの隙間からトマトの苗木が根を張り、直径3~5センチのトマトが最大で16個、赤々と実を付けた。

道行く地域の人々も驚いている。安谷屋さんは「ちょっとした花ならたまに生えてくるけど、まさか実を付けるまで(トマトに)生命力があるとは。すごい」と感嘆している。
 安谷屋さんがトマトの存在に気付いたのは2月ごろ。その時はまだ実はなく、「『あ、トマトだ』ぐらいの感覚で、まさか実を付けるとは思わなかった」という。それから少しずつ実を付けていき、4月中旬には実が赤くなり始めた。
 安谷屋さんは味が知りたくなり、一人、生でかじった。味を聞くと「まあまあだった」。記者もこのトマトを食べ、プロの生産者が作ったトマトと比べてみた。確かに、形はいびつで甘みなどは足りない気がするが、ちょうどいい酸味と水分を含んだトマトだ。
 食べ比べたトマトを作った比嘉正志さん(43)=名護市=は、トマトの生命力について「1センチの隙間から育つことはあり得る。カラスが食べた後、ふんの中からでも育つことがある」と説明した。
(長浜良起)