西表に国内初サンゴ 「サンダルイシ」琉大・成瀬氏ら確認


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国内で初めて生息が確認された生時のサンダルイシ=竹富町西表島の船浮湾(成瀬貫准教授提供)

 成瀬貫(とおる)琉球大准教授らがこのほど、珍しいサンゴを竹富町西表島西部の船浮湾と網取湾で発見した。サンダルを連想させる形をしていることから「サンダルイシ」という和名を付けた。

インド洋から太平洋の熱帯地域に生息しているが、国内での生息確認は初めて。成瀬准教授らは研究成果を4月に学術雑誌「ファウナ・リュウキュアーナ」で発表した。
 発見場所は水深20~40メートルで、近くでは大規模な中深度サンゴ群集(水深30メートル超に広がるサンゴ群集)も見つかっている。成瀬准教授らは「学術的にも貴重な環境」と説明している。
 沖縄近海では、サンダルイシの近縁種であるヘルメットイシが水深20メートル付近の場所で生息しているが、サンダルイシは比較的深い場所にいるため、発見されていなかったとみられる。
 成瀬准教授らは「知らないうちに人間活動が重要な生態系にダメージを与えたり、壊滅させたりしないよう情報を広く共有したい」としている。
 鹿児島大大学院理工学研究科の上野大輔助教、沖縄美ら島財団総合研究センターの西平守孝参与と合同で発表した。