台風6号通過で登校時間めぐり混乱 情報共有に課題


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台風6号の影響で通常より遅い時間に登校する児童ら=12日午前9時55分ごろ、宜野湾市内

 台風6号が気象庁の予測より速く本島付近を通過し、暴風警報の解除が午前中の登校に間に合う時間になったため、公立学校では登校時間をめぐり一部混乱した。
 浦添市内の複数の公立小学校では各学校が暴風警報が解除された場合の登校時間を各家庭に通知した後、市教育委員会が午前中の休校を決定。インターネットなどで公表したため、保護者を惑わせた。給食がなかった学校も多く、子どもの食事の確保に頭を悩ませる保護者もいた。

 台風時の登校時間は状況を踏まえた上で、各学校の校長が決める。浦添市のある小学校では台風襲来前日の11日、暴風警報が午前9時までに解除された場合、午前10時までに登校するよう呼び掛けた文書を児童を通じ、各家庭に配布した。
 だが、市が11日夕の暴風対策会議で、12日の午前中は休校すると決めた。決定が児童生徒の帰宅後になったため、市のホームページなどに掲載した。保護者は「いったいどちらの情報が正しいのか」と混乱した。結局、学校によって「終日休校」や「午後のみ登校」など対応が分かれた。市教育委員会の担当者は「次からは対策会議を早めるなど、児童生徒の下校前に連絡できるようにしたい」と話した。
 県内の公立小中学校では保護者の携帯電話メールアドレスに緊急連絡するシステムが導入されているが、アドレスの登録は保護者の任意で、加入率が低い学校もある。ある小学校の校長は「手紙、メール、HPなどいろいろな手段を組み合わせて対応しているが、なかなか難しい」と話した。
 生徒数の多い自治体は、午前7時ごろまでに暴風警報が解除されないと材料の仕入れや配達・調理時間の関係から給食を提供できなくなる。今回給食なしとなった学校も多く、食事の確保に頭を悩ます保護者もいた。豊見城市内の小学校に息子を送りに来ていた30代の男性は「急に登校になるのは予想していたが、給食がないのは困る」と不安そうに話した。